第16回「日本胎盤臨床医学会」大会開催
錦繡の札幌に医師、美容・健康産業関係者60名余が参集
日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第16回学術大会が、2014年10月12日(午前9時30分?午後17時00分)、札幌市内のホテル「ロイトン札幌」の2階会場に医師、歯科医、美容・健康産業関係者など60名余を集めて開催された。
大会実行委員長は西谷雅史氏(響きの杜クリニック 院長)、同副委員長および総合司会は長根忠人氏(サクラ咲くクリニック 院長)が務めた。
毎回好評の招待講演は、北海道医療大学薬学部で薬用植物と漢方生薬を研究する堀田清准教授による「北海道の植物エネルギー」が組まれた。大学を拠点として日本最北の高層湿原である松山湿原や襟裳岬などに生きる北方系植物の実地研究歴が長い堀田氏は、その過程で「自然との調和こそが、人に心からの笑顔と健康をもたらす」ことを植物から教えられた。堀田氏はその“発見の喜び”と“悟り”を共有するために、有志を募って観察体験ツアーも実施してきたが、そうしたツアーの記録や自ら撮影した見事な植物写真を駆使した講演は、言葉を超えて「森の元気」が直に伝わるものとなった。
研究発表は医療面3題、基礎研究1題が行われた。 本大会の実行委員長を務めた西谷雅史氏は「統合医療の中でのプラセンタ治療の役割」と題して、日常の診療(産科・婦人科)に「自己治癒力に働きかける統合医療」を積極的に導入してきた自らの理念・方法・実績について述べた。漢方やプラセンタ療法を初め、実施中の代替療法は気功・呼吸法・バッチフラワー・フラワーエッセンス・ホメオパシー・静電気除去・温熱療法・断食療法などに及ぶが、それらが互いに響き合って治療効果を高めていく過程で、特にプラセンタが西洋医学と代替療法をつなぐ重要な役割を果たす可能性が高いことを実例を示しながら報告した。
馬渕茂樹氏(東京トータルライフクリニック 院長)はプラセンタのツボ注射歴が長いが、症例が増えている腰痛(非特異的腰痛)に対するツボ注射に際して、一般的な経絡上のツボと夾脊穴のどちらへのツボ注射が有効であるかを、20名の被験者(ボランティア)で比較試験した結果を報告したが、厳密な試験方法と評価法が明示されたことにより説得力の高い発表となった。
長瀬眞彦氏(吉祥寺中医クリニック 院長)による「東洋医学的視点からみたプラセンタ療法の自律神経調整作用」と題した発表は、東洋医学における胎盤(紫河車)の使われ方とその効能を多数の文献に即して検証したが、そこに記された生薬としての薬理の多くが自律神経調整作用にあたるとして、自院における症例(更年期障害、偏頭痛、帯状疱疹後神経痛)によってその妥当性を示した。更に国内外の関連研究の実例を示して、プラセンタの効能に関する科学的立証への取り組みの必要性に言及した。
基礎研究領域では高橋洋氏(スノーデン㈱ 開発部理事)が、「プラセンタエキスの自律神経系に対する影響」と題し、消化器系では胃迷走神経と肝臓交感神経、内分泌系では副交感神経と肝臓交感神経に対する有効性についての共同研究結果を説明した。また、マクロファージの貪食能昂進、骨芽細胞増殖効果、腸内細菌叢の改善などについて新たに進められている興味深い研究の概要が報告された。
最後のプログラム「パネルディスカッション」は、前回も日常医療に役立つと反響が大きかったことを受け、今回は新規にプラセンタ療法を始めようとする医師をも念頭に置いて「プラセンタが臨床で広がるために」と題し、司会者と各診療科を代表する6名の医師、並びに基礎研究者1名によって行われた。各医院のプラセンタ療法導入の背景、治療の実際と成績、患者の反応などについて、会場の参加者も交えて1時間20分にわたり意見が交換された。
〔講演の演題及び演者〕
〔招待講演〕 | 北海道の植物エネルギー --勇気と元気はココロのクスリ! 北海道医療大学薬学部 薬用植物園・北方系生態観察園 准教授 堀田 清 |
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〔研究発表1〕 | 統合医療の中でのプラセンタ治療の役割 響きの杜クリニック 院長 西谷 雅史 |
〔研究発表2〕 | 非特異的腰痛に対するプラセンタ療法 --「一般のツボ注射」と「夾脊穴へのツボ注射」の比較検討 東京トータルライフクリニック 院長 馬渕 茂樹 |
〔研究発表3〕 | プラセンタエキスの自律神経系に対する影響 スノーデン株式会社 広報開発部 理事 高橋 洋 |
〔研究発表4〕 | 東洋医学的視点からみたプラセンタ療法の自律神経調整作用 吉祥寺中医クリニック 院長 長瀬 眞彦 |
〔公開討論会〕 | テーマ:プラセンタが臨床で広がるために 司会:西谷 雅史(産科・婦人科/響きの杜クリニック 院長) パネリスト:
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