第15回「日本胎盤臨床医学会」大会開催
医師、美容・健康産業関係者160名以上が参集、ロシア人医学者の特別講演も
日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第15回学術大会が、2014年5月18日(午前9時25分~午後17時00分)、東京駅に隣接する東京ステーションコンファレンス サピアタワー6階の会場に医師、歯科医、美容・健康産業関係者など160名余を集めて開催された。
大会実行委員長は稗田圭一郎氏(鶴巻メンタルクリニック 院長)、同副会長および総合司会は今井愛氏(麻布十番まなみウィメンズクリニック 院長)が務めた。
招待講演は、美容外科の先駆者であり抗加齢医学の大御所として著名な北里大学の塩谷信幸名誉教授(日本抗加齢医学会顧問、NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長)による「見た目のアンチエイジング――美しく歳を重ねる」が組まれた。加齢とともに高まる「健康長寿」の願望を叶えるアンチエイジング・メディシン(抗加齢医学)の中でも、肌や容貌や体形の若返り目指すのが「見た目のアンチエイジング」という美容医療であるが、その領域におけるプラセンタ療法の可能性が強く示唆される講演となった。
特別講演「ロシアにおけるプラセンタ療法」は、当大会では初めてとなるロシアから来日した2人の医学者が行った。K.I.イリイニチナ氏(ロシア医学アカデミー研究員・医学修士)は「婦人科疾患におけるメルスモンの使用経験」を、またバグィエヴァG.H.氏(医学博士・神経科医)は「臨床診療時、器官由来の製剤及び胎盤製剤の使用経験」について、スライドを多用して講演した。プラセンタ療法がロシアで展開している統合医療の一翼を担い始めていることを示すものとして、充実した研究内容とともに注目を集めた。
研究発表は内科分野から2題、基礎研究分野から2題が行われた。 かかりつけ医としてプラセンタ療法を導入して6年を経た増永荘平氏(ますなが医院 院長)による「内科医のプラセンタ療法」は、日常の診療にプラセンタ療法を活かす実際を披瀝し、特に難しいC型肝炎や脊柱管狭窄症などの著効例を具体的に報告した。
光武和彦氏(ホロス光武 院長)は自身が習得したYNSA(山元式新頭鍼療法)にプラセンタのツボ注射を応用することで予想外の効果を挙げている実際を述べ、YNSAの基本的な取穴法についても解説した。YNSAは山元敏勝医師が創始した鍼療法で、今では世界各国で1万人以上の医師が実践している。
基礎研究領域では当医学会の学術担当理事である大石真巳氏(スノーデン㈱ 執行役員)が、胎盤を介して母胎と胎児の間に働く免疫寛容の不思議に触れながら、免疫的に働くプラセンタ製剤の多様な機能性を解説した。
また、落合調氏(メルスモン㈱ 顧問)による「メルスモンの更年期障害に対する臨床調査(中間報告)」は66施設513例を対象とした調査の中間報告であるが、更年期障害の諸症状に対する高い改善率の分析結果に加え、マウスの子宮重量の増加には何ら影響しないという興味深い実験結果も報告された。
前回も実用面で役立つと反響が大きかったことを受け、今回も「臨床経験からみたプラセンタ療法の可能性の広がり」と題して、司会者と各診療科を代表する5名の医師による「パネルディスカッション」が行われた。各医院のプラセンタ療法導入の動機、治療の実際、患者の反応や具体的な医療効果、さらに今後への期待などについて、会場の参加者も交えて1時間にわたり意見が交換された。
また、今回は研究発表に先立ち診療への導入提案として、企業プレゼンテーション「酸化ストレス・抗酸化力テストについて」の解説を金子光輝氏(㈱ウイスマー)が行い、展示室ではその検査が実演されて大勢が体験した。
〔講演の演題及び演者〕
〔招待講演〕 | 見た目のアンチエイジング――美しく歳を重ねる 北里大学名誉教授、NPO法人アンチエイジングネットワーク 理事長 塩谷 信幸 |
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〔招待講演〕 | ロシアにおけるプラセンタ療法 ①K.I.イリイニチナ(ロシア医学アカデミー研究員、医学修士) ②バグィエヴァ G.H.(医学博士、神経科医) |
〔研究発表1〕 | メルスモンの更年期障害に対する臨床調査(中間報告) メルスモン㈱ 顧問 落合 調 |
〔研究発表2〕 | 内科医のプラセンタ療法 ますなが医院 院長 増永 荘平 |
〔研究発表3〕 | YNSAとプラセンタ療法 ホロス光武クリニック 院長 光武 和彦 |
〔研究発表4〕 | 免疫とプラセンタ スノーデン㈱ 執行役員 大石 真巳 |
〔公開討論会〕 | テーマ:臨床経験から見たプラセンタ療法の可能性の広がり 司会:長瀬 眞彦(吉祥寺中医クリニック 院長) パネリスト:
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