第14回「日本胎盤臨床研究会」大会開催
医師、美容・健康産業関係者60名余が参集、公開討論会も
日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第14回学術大会が、2013年11月3日(午前9時30分?午後4時30分)、沖縄・那覇空港に近いロワジーホテル&スパタワー那覇の会場に医師、歯科医、美容・健康産業関係者など60名余を集めて開催された。
大会実行委員長は天願勇氏(統合医療センタークリニックぎのわん 院長)、総合司会は高里荘子氏(介護支援センターさんだん花 施設長)が務めた。
恒例の招待講演は、免疫療法と緩和ケアを専門とする高橋秀徳氏(セレンクリニック福岡 院長)が、がん治療の切り札として期待を集めている「がんワクチン療法」について、多くの資料を使って行った。現在の標準的がん治療では根治に至らない進行癌や再発癌の治療限界を超えるとされた「がんワクチン」だが、それにさえ潜在している弱点の解決のために新たに登場したのが「樹状細胞ワクチン」である。このワクチン療法を支える免疫システムの原理と治癒のメカニズムについて詳しく述べた講演は、プラセンタの広範な有効性の根拠が「免疫力」にある可能性を示唆するものとなった。
研究発表は内科分野から2題、歯科分野から1題、基礎・総論分野から1題が行われた。 当医学会理事長の長瀬眞彦氏(吉祥寺中医クリニック 院長)による「プラセンタ療法の可能性」と題した論考は、プラセンタの作用機序の科学的解明が遅れた実情を指摘するとともに、今後のプラセンタ療法が進むべき方向を示した。プラセンタの利用は内科・整形外科・歯科・美容皮膚科など多分野に及んでいるが、誤った判断による不適切な用例が増えれば療法そのものへの信頼が揺らぎかねない。演者はそれを防ぐ取組みの一つとして、日本胎盤臨床医学会が新たにプラセンタ療法の「認定医制度」を発足させた経緯にも触れ、学術団体として堅実に活動していく抱負を述べた。
また、プラセンタの評判に呼応してブーム化した市場に氾濫する多様なサプリメントに対し、不適切なものを規制するために新たに実施されることになった公的新基準の規格について、当医学会の基礎研究部門担当理事である大石真巳氏が報告した。
歯科医療と統合医療から1題ずつ発表された研究報告は、日常の医療にプラセンタ療法が恒常的に組み入れられ、エビデンスの構築へ向けて症例の蓄積が着実に医療現場で進んでいることを示した。
更に前回も反響が大きかったことを受け、今回も4回目の試みとして司会者と各診療科を代表する5名の医師による「パネルディスカッション」が行われ、各医院のプラセンタ療法導入の動機、治療の実際、患者の反応や具体的な医療効果について、会場の参加者も交えて1時間半にわたり意見が交換された。
〔講演の演題及び演者〕
〔招待講演〕 | がんワクチン療法の現状と、今後の課題 医療法人社団医創会 セレンクリニック福岡 院長 高橋 秀徳 |
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〔研究発表1〕 | プラセンタ療法の可能性 吉祥寺中医クリニック 院長 長瀬 眞彦 |
〔研究発表2〕 | 歯周病とプラセンタ きたじま歯科 院長 喜多嶋 洋史 |
〔研究発表3〕 | プラセンタサプリメントの公的新基準について スノーデン株式会社 執行役員薬粧事業部長 大石 真巳 |
〔研究発表4〕 | プラセンタ療法とこれから――統合医療の可能性について 統合医療センタークリニックぎのわん 院長 天願 勇 |
〔公開討論会〕 | テーマ:「自然治癒力の増強とプラセンタの可能性」 司会:西谷 雅史(響きの杜クリニック 院長) パネリスト:
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