学術集会 - 一般財団法人 日本プラセンタ医学会

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学術集会

第23回「日本胎盤臨床医学会」大会開催

──「この闇を照らす新しい光の向こうに」をテーマに──

  日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第23回学術大会が、2018年6月24日(午前9時50分〜午後4時50分)、京都市左京区吉田近衛町の京都大学医学部構内にある、芝蘭(しらん)会館で開催された。大会実行委員長は北西剛氏(きたにし耳鼻咽喉科 院長)、同副委員長および総合司会は山本俊昭氏(山本医院 院長)が務めた。

 風光明媚な京都の地での教育機関の施設を利用した大会、更に海外からの招聘講演も多数盛り込まれていることもあって、医療、美容など様々な分野の関係者やロシアからの来賓も多く詰めかけ、会場は国際的なムードに包まれての開会となった。

 今大会のテーマには「この闇を照らす新しい光の向こうに」が掲げられた。2007年以来着実に会員数を増やし、著しい発展・普及を遂げたプラセンタ研究の11年目となる大会の新たなスタートとして、様々な疾患で「闇」を抱える多くの人々を照らす「光」となるべく研究に邁進するという理念を象徴したものとなった。

 午前はロシアおよび韓国からの海外招聘講演3本を中心に、長瀬眞彦理事長(吉祥寺中医クリニック 院長)による海外プラセンタ療法の現況紹介を織り交ぜて、非常に内容の濃い講演が続いた。

 ランチョンセミナー2本を挟み、午後は招待講演2本からスタートし、研究発表3本という、大会屈指となる多くの講演が盛り込まれた内容となった。

 

 海外招聘講演では、普段あまり接する機会のないロシアや韓国といった国々のプラセンタ研究の実態が膨大な資料と共に語られ、会場に詰めかけた多くの聴視者の賛嘆を集めた。特に日本と海外でしのぎを削る研究については、国際交流の必要性を相互に深く理解した意味でも重要であったといえよう。

 現況紹介では、日本の従事者としての立場・視点で海外の現況が詳細かつ客観的に紹介され、演者のプラセンタ研究に対する真摯な姿勢が垣間見られた。

 招待講演では、現代の逼迫した懸案であるがんの早期発見に対する革新的な手法や、日本が誇るiPS細胞による心筋の再生、更には創薬といった誰もが刮目する内容についての非常に詳細なデータや研究の詳細が発表され、会場内からは熱い視線が寄せられていた。

 研究発表は、ドイツの振動医学という馴染みの薄い分野からの切り口で読み解かれたプラセンタの効能や、YNSAを利用した非常に導入しやすい診断法、さらにはプラセンタ療法の未来に通じる可能性に言及した研究など、どれも非常に新鮮かつ有意義な講演が繰り広げられ、多くの注目を集めていた。

 ランチョンセミナーでは、新たな効能が期待される乳酸菌LJ88や、化粧品に含有する諸成分についての開発者サイドからの意見など、新鮮かつ有意義な多くの情報が会場の興味を惹いていた。

 

〔講演の演題及び演者〕

〔海外招聘講演1〕

The study of the mechanisms of biological activity of MELSMON preparation (on expression of signal molecules - markers of intracellular organelles) in human endometrial and fibroblasts

Igor Kvetnoy, MD, Professor
〔海外招聘講演2〕

Metabolic therapy post - hysterectomy syndrome in women at perimenopausal age

Orazov Mekan Rakhimberdievich, MD, Professor

〔現況紹介〕 海外のプラセンタ療法の現状
吉祥寺中医クリニック院長 長瀬 眞彦
〔海外招聘講演3〕

Antioxidant effect of human placenta extract (Laennec) against oxidative stress on muscle atrophy

Jungtae Na(ナ・ジョンテ), Research Professor, Chung-Ang university, Korea

〔ランチョンセミナー1〕

胃と腸のための乳酸菌 LJ88

スノーデン株式会社 商品開発本部 開発研究部 部長 小松 靖彦

〔ランチョンセミナー2〕

医療機関における化粧品の美肌メソッド — 化粧品パッケージ裏側にある“真実”とは —

株式会社UTP 情報開発部部長 宮田 哲朗
〔招待講演1〕

血液一滴でがんを早期発見するマイクロRNA体液診断とは

国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野 分野長 落合 孝広

 

 〔招待講演2〕

  iPS細胞を用いた心筋再生と創薬研究 —「心臓」を培養皿上で再構築することは可能か? —

大阪大学医学系研究科 心血管再生医学寄附講座 寄附講座准教授 李 鐘國
〔研究発表1〕

ドイツ振動医学から読み解くプラセンタの新たな効能について

医療法人ふじいやさか ラ・ヴィータメディカルクリニック 院長 森嶌 敦友

 

〔研究発表2〕

 YNSAとプラセンタ療法2 — 導入しやすい新しい診断法と自律神経調整法

ホロス光武クリニック 院長 光武 和彦
〔研究発表3〕

 プラセンタ療法でこれまでやってきたこと、これからやろうとしていること

東京トータルライフクリニック 院長 馬渕 茂樹

第22回「日本胎盤臨床医学会」大会開催

──「プラセンタ療法の新たなる夜明け」をテーマに──

 日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第22回学術大会が、2017年11月19日(午前9時30分〜午後5時)、福岡市中央区天神のエルガーラホールで開催された。大会実行委員長は原 靖氏(福岡・田川市:原クリニック院長)、同副委員長および総合司会は高嶋 雅樹氏(福岡・北九州市:高嶋クリニック院長)が務めた。  会の創設以来11年目の新たなステップへと進んだ大会への期待から、全国各地の医師・美容師・研究者・医療スタッフなど110名が参集し盛会となった。  大会テーマには「プラセンタ医療の新たなる夜明け」が掲げられた。前回の大会では「次の10年 ─The next decade─」をテーマに、プラセンタの信頼度を高めて更なる普及を図っていくことが謳われたが、今大会のテーマはその求めに応える第一歩が踏み出されたことを宣した形となった。  午後には、今大会の開催地がプラセンタ注射薬「ラエンネック」の開発者である稗田憲太郎博士(1899〜1971)が開発研究に取り組んだ縁の地でもあることから、ラエンネック製剤元である㈱日本生物製剤の協力を得て、久留米市の新工場「ラトリエール藤光」の見学が行われた。  そのため今大会のプログラムは午前中の5題のみとなったが、いずれの講演も専門性に富む興味深いものとなった。

 招待講演ではヒートショックプロテイン(HSP)の研究と医療への導入の実体に加え、 健康の維持・増進、抗老化や美容のみならず、癌治療にまで活用範囲を広げようとしているHSPの想像を超える多機能性が膨大な資料と共に語られ、会場の賛嘆を集めた。  基調講演は、現在の主流であるプラセンタ注射の源流とされる「胎盤埋没療法」の数少ない実践者である演者により埋没療法の実際が具体的に述べられると共に、演者のクリニックにおける高い治療実績も明らかにされた。  基礎指定演題は、20〜30年前の段階で市場から姿を消してしまった3種類のプラセンタ注射薬の来歴と薬効を文献的に探索。それらが標榜していた「胃潰瘍・十二指腸潰瘍、消化性潰瘍、歯肉炎・歯槽膿漏」などへの効能までが製品と共に失われたことを惜しむという演者の言葉が会場の共感を呼んだ。  臨床発表は、今ではプラセンタ投与法の一つとして定着した「経穴注射(ツボ注射)」の依拠する医学は「東洋医学」ではなく「東方医学」とすべきことが述べられ、外国人にも理解しやすいように症例に応じたツボの取り方、効能効果の説明の仕方が示された。また、現在のツボ注射に関する研究レベルの高さを示す文献も紹介された。  ランチョンセミナーでは、今まで不完全だった美容皮膚科におけるプラセンタ製剤の美白効果の評価に関して、演者らが確立に成功した「メラニン重合評価系」が紹介された。これによって新しい製品開発が進むと共に、市井におけるプラセンタへの信頼度が高まることが期待されよう。

〔講演の演題及び演者〕

〔招待講演〕 ヒートショックプロテイン(HSP)の魅力 ─その基礎と臨床─
HSPプロジェクト研究所 所長 伊藤 要子
〔基調講演〕 プラセンタ医療の歴史とプラセンタ組織療法(胎盤埋没療法)
原クリニック 院長 原 靖
〔基礎指定演題〕 姿を消したプラセンタ注射薬:過去に存在した効能効果
スノーデン株式会社 執行役員 大石 真己
〔臨床発表〕 東方医学とプラセンタ療法“Eastern Medicine and Placenta Therapy”
吉祥寺中医クリニック 院長 長瀬 眞彦
〔ランチョンセミナー〕

新しいメラニン重合評価系を用いたプラセンタにおける美白有効成分の同定
東京医科歯科大学・教養部・生物学教授 服部 淳彦  協賛:(株)協和

〔工場見学〕 株式会社日本生物製剤ラトリエール藤光

第21回「日本胎盤臨床医学会」大会開催

──「胎盤療法 次の10年─The next decade─」をテーマに──

日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第21回学術大会が、2017年6月18日(午前9時30分〜午後5時)、東京・お茶の水のソラシティーカンファレンスセンターで開催された。大会実行委員長は長瀬眞彦氏(東京:吉祥寺中医クリニック院長)、同副委員長および総合司会は渡邊千春氏(浦和:千春皮フ科クリニック院長)が務めた。
 会の創設以来10年を経て新たなステップへと進む大会であることから、全国各地から医師・研究者・医療スタッフ・健康・美容関連事業者など190名余りが参集し盛会となった。
 大会テーマには「胎盤療法 次の10年 ─The next decade─」が掲げられた。当医学会は発足以来、プラセンタ療法の浸透を期して広範な診療科に及ぶ臨床例の集積に努めてきたが、プラセンタの信頼度を一段と高めて更なる普及を図るためには、作用機序を明らかにする基礎研究の拡充、基礎と臨床のコラボレーションを求める機運が高まってきていた。大会テーマの「次の10年 ─The next decade─」は、その求めに応える第一歩が踏み出されたことを内外に宣したものと受け止められよう。
 テーマに応じて今大会は12題のプログラムが組まれたが、このたび英国の『Climacteric』誌に研究論文が掲載された「更年期症候群にプラセンタを用いた二重盲検試験」に関する臨床報告を皮切りに、基礎研究3題、また国際交流の一環として韓国とロシアから各2題の特別講演が組まれた。また、招待講演では朝霧高原で展開されている地域医療(統合医療)の実際が披瀝され、教育講演ではプラセンタ療法に適した臨床試験の評価法をはじめ、伝統医学への望ましい向き合い方が語られた。また、「美容皮膚科で生きる漢方」と題したランチョンセミナーは、漢方医療のユニークな展開として関心を集めた。
 セッションの最後に行われた「総合討論」は研究者3名が加わり、司会者を含む6名で基礎研究の必要性と困難さを巡り突っ込んだ意見が交わされた。なお、討論会の記録は医学会のホームページに掲載される。

〔講演の演題及び演者〕

〔招待講演〕 コミュニティー・ベースの統合医療──自然欠乏症候群概念を含めて
朝霧高原診療所 院長、WELLNESS UNION〔富士山静養園・日月倶楽部〕代表 山本 竜隆
〔教育講演〕 患者ファーストの臨床評価法はRCTの先にあ─東方医学から学ぶ個別化・精密医療
帝京平成大学ヒューマンケア学部 教授 上馬塲 和夫
〔臨床発表〕 更年期女性の軽微な更年期症状に及ぼすプラセンタエキスの効果
山本医院 院長 山本 俊昭
〔特別講演1〕 当クリニックで行っている胎盤による美容療法
アーバンビューティー形成外科 代表院長 申 峻昊
〔特別講演2〕 Ideal Usage for Placenta Injection
Medical Doctor of Greencross lab & I-Med Center, Korea Donghwan Kim
〔特別講演3〕 Russian experience of application Laennec in gynecology
Doctor Med Sci., Professor Irina Vsevolodovna Kuznetsova
〔特別講演4〕 Prospective of gerontological applications of Laennec:
fundamental studies & molecular mechanisms
Doctor of medical science Olga Alekseevna Gromova
〔基礎研究1〕 〔基礎研究1〕臨床所見にマッチした抗酸化活性の測定法とは?
メルスモン製薬㈱ 研究所所長 高橋 良樹
〔基礎研究2〕 基礎から臨床へ:二つの経験の紹介──プラセンタエキスと
サイタイエキスの外用での美容効果&新規乳酸菌LJ88
スノーデン㈱ 商品開発本部開発研究部 部長 小松 靖彦
〔基礎研究3〕 肝がん細胞における抗がん剤とヒト胎盤抽出物の併用効果
㈱日本生物製剤 プラセンタ・アベニール研究所 所長 平野 栄一
〔総合討論〕 テーマ:基礎と臨床のコラボレーション
 司 会:長瀬 眞彦(吉祥寺中医クリニック 院長)
 出席者:上馬塲 和夫(帝京平成大学ヒューマンケア学部 教授)
 北野原 正高(きたのはら女性クリニック 院長)
 小松 靖彦(スノーデン㈱ 商品開発本部開発研究部 部長)
 高橋 良樹(メルスモン製薬㈱ 研究所所長)
 平野 栄一(㈱日本生物製剤 プラセンタ・アベニール研究所 所長)
〔ランチョンセミナー〕 美容皮膚科で生きる漢方
野本真由美スキンケアクリニック 院長、オバジクリニックトウキョウ 総院長 野本 真由美

第20回「日本胎盤臨床医学会」大会開催

「プラセンタ療法─明日への道しるべ」をテーマに、医師ら100余名が参集

日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第20回学術大会が、2016年10月9日(午前9時30分~午後5時)、岡山市の岡山国際交流センターで開催された。大会実行委員長は川口光彦氏(岡山市:川口メディカルクリニック院長)、同副委員長および総合司会は上田容子氏(東京:神楽坂ストレスクリニック院長)が務めた。会の創設以来10年を経た第20回という節目の大会であることから、全国各地から医師・美容師・研究者など100余名が参集し盛会となった。

大会テーマには「プラセンタ療法──明日への道しるべ」が掲げられた。当医学会が研究会として発足した10年前は、まだプラセンタ療法の何たるかを正しく認識しつつ、その医療面での可能性を見極め体系化していくことが大きな課題だったが、その取組みが注射剤において逐次進展するにつれて、大幅に流通量が増えてきたアンチエイジング用サプリメントや美容・美肌用外用剤が新たに研究課題に加わってきている。それに応じて当医学会ではサプリメントの臨床試験なども行ってきているが、今大会のテーマはそうした状況を反映していよう。

テーマに応じて今大会は、下記のように13題のプログラムが組まれたが、招待講演(渡邊氏)では健康長寿の基本となる栄養学の時代的変遷が、膨大な資料を基に語られた。また、基調講演(川口氏)は、10年にわたるウイルス性肝疾患のプラセンタ治療実績を中心に、一医療機関におけるプラセンタ療法の取組みの実際がつぶさに提示された。

「指定演題」では浜田氏(内科・消化器科)、河田氏(形成外科)、日比野氏(再生医療・眼科)が、それぞれの分野におけるプラセンタの積極的な使い方と効果の特長を具体的に披瀝した。
「基礎指定演題」では、製薬会社の第一線研究者(平野・小松・高橋・千葉の4氏)が、それぞれの社の主力製品に関する基礎研究を、重要な基礎資料を添えて解説した。

「臨床発表」は産婦人科(金子氏)と歯科(喜多嶋氏)におけるプラセンタの積極的使用例とその有効性が詳細に示された。

「総合討論」は下記の6氏によって「①プラセンタ治療の導入の仕方 ②プラセンタ治療を行う際に厳守すること ③効果のあった実例、使用に際して工夫していること ④胎盤供給に関して今後の問題点(婦人科の立場から) ⑤料金設定」について、実例を提示しつつ活発に論議が交わされた。

また「ランチョンセミナー」では高木准教授(消化器・肝臓内科学)が、悪玉とされている酸化ストレスが慢性消化器疾患や肝胆膵癌に対して功罪両面に働く実際を、動物モデルによるデータを元に興味深く解説した。

〔講演の演題及び演者〕

〔招待講演〕 覆る栄養学の常識
公益社団法人 生命科学振興会理事長 渡邊 昌
〔基調講演〕 プラセンタ医療──「晴れの国」から
川口メディカルクリニック 院長 川口 光彦
〔指定演題1〕 治療抵抗性糖尿病における肝臓病学的アプローチ
──鉄動態の是正と糖代謝改善の関連性

浜田内科消化器科クリニック 院長 浜田 結城
〔指定演題2〕 当院におけるプラセンタの臨床応用について
河田形成外科 院長 河田 真
〔指定演題3〕 再生医療の観点から考えたプラセンタ医療
Rサイエンスクリニック広尾 院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学 特任准教授 日比野 佐和子
〔基礎指定演題1〕 ヒト胎盤抽出物における癌細胞増殖抑制物質の単離・同定と肝癌治療薬としての可能性
株式会社 日本生物製剤 プラセンタ・アベニール研究所 所長 平野 栄一
〔基礎指定演題2〕 プラセンタエキスの効果を動画で見る
──マクロファージ機能低下防止と線維芽細胞増殖促進

スノーデン株式会社 商品開発本部開発研究部 部長 小松 靖
〔基礎指定演題3〕 プラセンタ(メルスモン®)の作用機序の解明(その3)
メルスモン製薬株式会社 研究所所長 高橋 良樹
〔基礎指定演題4〕 プラセンタエキスおよびエタノールアミンのアルコール性肝障害に対する効果の検討
クラシエ製薬株式会社 漢方研究所 製品開発第2グループ 研究員 千葉 殖幹
〔臨床発表1〕 閉経周辺期から始めるプラセンタ療法
医療法人いぶき会 針間産婦人科 院長 金子 法子
〔臨床発表2〕 ブラキシズムと口腔疾患
きたじま歯科 院長 喜多嶋 洋史
〔総合討論〕 テーマ:今後のプラセンタ医療について
司会:川口光彦(川口メディカルクリニック 院長)
パネリスト:
  • 長瀬 眞彦(吉祥寺中医クリニック 院長)
  • 浜田 結城(浜田内科消化器科クリニック 院長)
  • 河田 真作(河田形成外科 院長)
  • 日比野 佐和子(Rサイエンスクリニック広尾 院長)
  • 北野原 正高(きたのはら女性クリニック 院長)
〔ランチョンセミナー〕 消化器慢性炎症・発癌に関連する酸化ストレスの不思議
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学 高木 章乃

第19回「日本胎盤臨床医学会」大会開催

「統合医療のパラダイムシフト」をテーマに、医師ら190名余が参集

日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第19回学術大会が、2016年6月19日(午前9時30分~午後5時)、東京・お茶の水のソラシティーカンファレンスセンターで開催された。大会実行委員長は北野原正高氏(仙台市:きたのはら女性クリニック院長)、同副委員長および総合司会は福永伴子氏(東京:ともクリニック浜松町院長)が務めた。今大回はロシア人医師による特別発表2題が組まれたことを受けて同国からの医師・美容師・研究者など26名も加わり、大会参加者は195名を数えた。

大会テーマには「統合医療のパラダイムシフト」が掲げられた。変化への適切な対応が求められるのは第一線に立つ者なら誰でも同じだが、とりわけ医療者は専門分野を極める過程で、予想外の局面に幾度となく出会うと言われる。プラセンタ療法もその一つで、多くの医療者がそれを実際に使用してみて意外な有効性に驚き、その理由を模索しながら応用範囲を広げてきた。その意味でこの医学会大会は、参加者にとって生きた情報交換の場であり、新たな飛躍をもたらすノウハウをつかむ貴重な場でもある。

その期待に応えるために今大会は示唆に富む13題のプログラムが組まれたが、溝口徹氏(新宿溝口クリニック院長)による「分子整合医学」を論じた招待講演は、栄養学の常識を覆す知見に満ち、100分間が短く感じられるほどであった。また、今大会のためにロシアから来日した2人の女性医師(Dr.Izmaylova Tatyana, Dr.Silantiva Elena)による特別講演は、現在の同国でのプラセンタ療法への関心の高まりと深化を強く印象づけた。

研究発表(指定演題3題、臨床発表6題)は、各分野でのプラセンタの活用の実際、応用の可能性、あるいは作用機序の考察が展開され、プラセンタ療法においては文字通り劇的な「パラダイムシフト」が確実に進んでいることを示すものとなった。

〔講演の演題及び演者〕

〔招待講演〕 分子整合医学──オーソモレキュラー療法の基礎と臨床
新宿溝口クリニック 院長、オーソモレキュラー.jp 代表医師 溝口 徹
〔指定演題1〕 プラセンタ(メルスモンⓇ)の作用機序
──セロトニン親和性蛋白質に及ぼすプラセンタの影響

メルスモン製薬㈱ 研究所所長 高橋 良樹
〔指定演題2〕 当院における伝統医療と現代医療の併用療法について
東銀座タカハシクリニック 院長 高橋 博樹
〔指定演題3〕 動物由来プラセンタおよびエタノールアミンの肝保護作用の検討
クラシエ製薬㈱ 漢方研究所製品開発第2グループ 研究員 千葉 殖幹
〔臨床発表1〕 ヒト・プラセンタ・エキス投与による有害事象
 ──安全かつ効果的なプラセンタ治療法

清水スキンクリニック 院長 鄭 栄鳳
〔臨床発表2〕 いつまでも元気で若々しく>
──見た目に対するプラセンタ・動き目に対するプラセンタ

光伸メディカルクリニック 院長 中村 光伸
〔臨床発表3〕 更年期障害におけるメルスモンの効果
ますなが医院 院長 増永 荘平
〔臨床発表4〕 整形外科領域のプラセンタ応用
清水整形外科医院 院長 清水 泰雄
〔臨床発表5〕 歯科におけるプラセンタ療法とその作用機序について
熊倉歯科 院長 熊倉 正和
〔臨床発表6〕 耳鼻咽喉科領域における統合医療の役割
きたにし耳鼻咽喉科 院長 北西 剛
〔特別発表1〕 アンチエイジング・プログラムの基礎となるメタボリック補正の個別治療プロトコル
Influence of placental drug Melsmon on the mitochondrial activity of platelets in a sample in vitro

Dr.イズマイロバ タチアナ(Izmaylova Tatyana Dmitrievna)
(Doctor immunologist, Candidate of Medical Sciences, director of the cytochemical research Center)
〔特別発表2〕 生殖補助医療における胎盤抽出剤の臨床試験について
Experience with using allogeneic placental peptide drug in preparation for assisted reproduction programs

Dr.シラチェワ エレナ(Silanteva Elena Sergeevna)
(MD in obstetrics and gynecology, rehabilitation medicine)
〔ランチョンセミナー〕 オーソモレキュラー療法とは
──症例の紹介と医療用サプリメントの解説

新宿溝口クリニック チーフ栄養カウンセラー 定 真理子

第18回「日本胎盤臨床医学会」大会開催

爽秋の名古屋に医師、美容・健康産業関係者130名余が参集

日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第18回学術大会が、2015年11月1日(午前9時30分〜午後4時30分)、名古屋市のホテル「名古屋マリオットアソシア」で開催された。大会実行委員長は上野正樹氏(長野市:上野医院院長)、同副委員長および総合司会は小早川裕之氏(名古屋市:小早川医院院長)が務め、参加者は130名を超えた。

大会テーマは「心(非物質)と胎盤組織(物質)との関わり方(相互作用)について」が掲げられた。この一見難解なテーマには、医療は単に病む肉体だけを診るだけでなく、患者の心理や社会的側面などの見えない要素も包括的に診る全人的医療でありたいという今日的課題に、プラセンタ療法はどう対処してきたかという問いかけの意味もある。一方では、プラセンタは幅広い分野で数多くの臨床効果が報告されてきが、有効性を証す科学的裏付けが乏しいとされてきたことに対する反論の意味も込められていよう。

そうした問題を根本に返って考えたいという要請に応えて、今回の招待講演は岸根卓郎名誉教授(京都大学)による「第二の文明ルネッサンス──量子医学の時代がやってきた」と題して行われ、誰もが一言も逃すまいと耳を傾けた。基礎となる量子論の説明は難解を極めたが、物体ではなく素粒子の波動性に着目する量子論によれば、世界は今世紀に入って以来、800 年前のルネッサンスに次いで第二の文明ルネッサンスを迎えており、医学の世界では従来の科学一辺倒の西洋医学に代わり、人間の精神性を重んずる新しい医学として心身一如の東洋医学の勃興期が始まっているという指摘は、厳格な予言のように会場に響いた。

また今回のテーマを別の面から見れば、胎盤が「胎児の生命」を育むように、プラセンタが健康を回復させる──つまり「見えるもの」が「見えないもの」を動かす不思議さに思いを寄せ、プラセンタの効能をしっかり再認識しようという呼びかけとも受け止められよう。その呼びかけに応えるかのように、今大会の5題の研究発表は、いずれもプラセンタの真価に迫ろうとする内容の深いものとなった。

研究発表1題目の上野正樹院長は、胎盤療法の歴史にも触れながら、その不思議でしかなかった胎盤の作用が科学的に解明されてきた経緯を述べ、今もなお効果の全貌がつかめないプラセンタの有効性を、成分や作用機序が十分にわからないという理由で無視しようとすることは不合理ではないかと訴えた。

研究発表2題目の西谷雅史院長(響きの杜クリニック)は、プラセンタを中心に医療を体系化することにより、非常に大勢の患者の喜びに包まれている自院の診療の実際を示しながら、西洋医学による通常の医療では果たせない統合医療の効果を説得的に述べて会場の共感を呼んだ。

研究発表3題目の大石真巳氏(スノーデン㈱)は、従来行ってきた「胎盤の機能と産生物質」解明シリーズの新たなアイテムとして「セロトニン」を取り上げ、科学的実験に基づく神経系に対する有用性の評価を丁寧に行い、プラセンタの有効性を立証する新たな糸口を示した。

研究発表4題目の天願勇院長(統合医療センタークリニックぎのわん院長)は癌の治療歴が長いが、未知の効能を内包するプラセンタに対すると同じ姿勢で、癌に対して樹状細胞ワクチン療法を行っている近年の経験を語ったが、「医師は患者の個別性を無視した“マニュアルドクター”になってはならない」と述べた言葉が印象的であった。

研究発表5題目は、ロシアの女性薬理学者であるO.A.グロモヴァ教授が行った。注射薬ラエンネックを用いた創傷治癒(皮膚再生)、鉄過剰症を伴う肝疾患の改善に関する自身の研究の他に、ロシア人医師たちによる肝臓学・免疫学・婦人科学領域におけるプラセンタの研究の現状が紹介され、ロシアに於けるプラセンタ熱の高まりを窺い知ることができた。また、今回は2題のランチョンセミナーが組まれて関心を集めた。

1題目の日置富士雄氏(㈱ダイヤ製薬)による「腸内細菌の乳酸球菌(EF-621菌)で腸管免疫を活性化」では、注目を集めている腸内細菌叢の中でもビフィズス菌などの桿菌に比して球菌の方が免疫活性が高く、中でもEF-621菌の死菌末を用いている自社製品の優位性を実験データを示して説明し、全国の医療機関で免疫療法に使われている実情を述べた。

2題目は熊谷美雪氏(㈱UTP美容部インストラクター)が「プラセンタ化粧品について」と題して自社製品の全容を示し、高い評価を得ている「PLACENTA DUE 100」「La PRECIA Series」の特性を解説し、興味深い販促材料も紹介した。

〔講演の演題及び演者〕

〔招待講演〕 第二の文明ルネッサンス  ──量子医学の時代がやってきた──
京都大学名誉教授・南京経済大学名誉教授 岸根 卓郎
〔研究発表1〕 胎盤エキス──動物種差と投与法、効果の差異の考察
上野医院 院長 上野 正樹
〔研究発表2〕 「プラセンタは赤ちゃんからのプレゼント─プラセンタに対する誤解を解く」
響きの杜クリニック   院長 西谷 雅史
〔研究発表3〕 「胎盤の機能と産生物質 ─セロトニン」
スノーデン㈱ 執行役員 大石 真巳
〔研究発表4〕 「がん免疫とプラセンタ」
統合医療センタークリニックぎのわん 院長 天願 勇
〔研究発表5〕 Ability of placental medicine Laennec in various areas of medicine, point of view of pharmacologist
(臨床薬理学者から見たラエンネック)

Dr.Olga Alekseevna Gromova(オルガ・アレクシーヴナ・グロモヴァ)
〔ランチョンセミナー〕

「内細菌の乳酸球菌(EF-621K菌)で、腸管免疫を活性化」
㈱ダイヤ製薬 営業部営業課長 日置 富士雄

「プラセンタ化粧品について」
株式会社UTP 美容部インストラクター 熊谷 美雪

第17回「日本胎盤臨床医学会」大会開催

医師、歯科医、美容・健康産業関係者150名余が参集

日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第17回学術大会は2015年5月24日(午前9時30分〜午後17時20分)、東京・お茶の水「ソラシティーカンファレンスセンター」(ソラシティーホール)に医師、歯科医、美容・健康産業関係者を集めて開催された。大会実行委員長は馬渕茂樹氏(東京トータルライフクリニック 院長)、同副委員長と総合司会を渡邊千春氏(千春皮フ科クリニック 院長)が務めた。

プラセンタ療法の新たな展開を期して馬渕実行委員長が掲げた「『治す医療』から『予防し、治し、支える医療』へのパラダイム転換」という今大会のテーマが共感を呼び、今大会の参加者は150名余を数え、11題のプログラムはいずれも充実したものとなった。

毎回好評の招待講演は大会のテーマに沿って2題組まれ、食生活のフィールドワークで世界的に著名な家森幸男京都大学名誉教授(武庫川女子大学国際健康開発研究所所長)による「きれいで長寿になれる栄養学──和食をアンチエイジング食にするために」は、多様な調査資料と研究成果を援用しつつ、健康長寿には「米・大豆・魚」中心の和食をベースにミネラルの多い乳製品をプラスする「東西融合」が有効であるとする論考は具体的で、説得力に富むものとなった。

招待講演2 題目は、竹重俊文所長(一般財団法人地域ケア総合研究所)による「“誰もが住み慣れた地域で暮らすこと”を支援する」が組まれた。現在約800 万人と言われる団塊の世代が75 歳に到達し、後期高齢者人口が全人口の4 人に1人にまで膨れ上がり超高齢化社会が訪れる「2025 年問題」に向けて、地域包括ケアシステムをどのように組み上げていくべきか。その問題点と対策を「医療・介護・地域」という三者の“協働”の面から論究して関心を呼んだ。

また、今回は特例として田村忠司氏(株式会社ヘルシーパス社長)を演者に迎え、「医療機関におけるサプリメントの活用法」と題するランチョンセミナーが行われた。医療機関でのサプリメントや医療機器の販売規制が解かれることになったことを受けて、どんなものを揃えるべきかの選別基準、導入に際してのスタッフ教育、患者への周知法などについて豊富な具体例を示して説明がなされ、会場では真剣にメモを取る姿が目立った。

研究発表は次のとおり「指定演題」4題、「臨床発表」4題が行われた。

【指定演題】

「予防・治療・在宅におけるプラセンタの有効性」
藤 純一郞(東京トータルライフクリニック)

「プラセンタツボ注射の眼科治療への応用」
熊谷 和久(熊谷医院 院長)

「プラセンタ(メルスモンR)の作用機序」
高橋 良樹(メルスモン製薬株式会社 研究所所長)

「当院におけるプラセンタ組織療法(埋没療法)の変遷と現況」
原 靖(原クリニック 院長)

【臨床発表】

「気管支喘息に対するプラセンタの効果」
杉原 徳彦(医療法人社団仁友会 仁友クリニック 院長)

「歯科の材料アレルギーとプラセンタ療法の効果について」
丹羽 祐子(医療法人社団橋本会 橋本歯科医院 院長)

「当院におけるプラセンタ治療の実際―精神科領域での可能性について」
上田 容子(神楽坂ストレスクリニック 院長)

「皮膚科・美容皮膚科分野でのプラセンタ療法」
渡邊 千春(千春皮フ科クリニック 院長)

第16回「日本胎盤臨床医学会」大会開催

錦繡の札幌に医師、美容・健康産業関係者60名余が参集

日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第16回学術大会が、2014年10月12日(午前9時30分?午後17時00分)、札幌市内のホテル「ロイトン札幌」の2階会場に医師、歯科医、美容・健康産業関係者など60名余を集めて開催された。

大会実行委員長は西谷雅史氏(響きの杜クリニック 院長)、同副委員長および総合司会は長根忠人氏(サクラ咲くクリニック 院長)が務めた。

毎回好評の招待講演は、北海道医療大学薬学部で薬用植物と漢方生薬を研究する堀田清准教授による「北海道の植物エネルギー」が組まれた。大学を拠点として日本最北の高層湿原である松山湿原や襟裳岬などに生きる北方系植物の実地研究歴が長い堀田氏は、その過程で「自然との調和こそが、人に心からの笑顔と健康をもたらす」ことを植物から教えられた。堀田氏はその“発見の喜び”と“悟り”を共有するために、有志を募って観察体験ツアーも実施してきたが、そうしたツアーの記録や自ら撮影した見事な植物写真を駆使した講演は、言葉を超えて「森の元気」が直に伝わるものとなった。

研究発表は医療面3題、基礎研究1題が行われた。  本大会の実行委員長を務めた西谷雅史氏は「統合医療の中でのプラセンタ治療の役割」と題して、日常の診療(産科・婦人科)に「自己治癒力に働きかける統合医療」を積極的に導入してきた自らの理念・方法・実績について述べた。漢方やプラセンタ療法を初め、実施中の代替療法は気功・呼吸法・バッチフラワー・フラワーエッセンス・ホメオパシー・静電気除去・温熱療法・断食療法などに及ぶが、それらが互いに響き合って治療効果を高めていく過程で、特にプラセンタが西洋医学と代替療法をつなぐ重要な役割を果たす可能性が高いことを実例を示しながら報告した。

馬渕茂樹氏(東京トータルライフクリニック 院長)はプラセンタのツボ注射歴が長いが、症例が増えている腰痛(非特異的腰痛)に対するツボ注射に際して、一般的な経絡上のツボと夾脊穴のどちらへのツボ注射が有効であるかを、20名の被験者(ボランティア)で比較試験した結果を報告したが、厳密な試験方法と評価法が明示されたことにより説得力の高い発表となった。

長瀬眞彦氏(吉祥寺中医クリニック 院長)による「東洋医学的視点からみたプラセンタ療法の自律神経調整作用」と題した発表は、東洋医学における胎盤(紫河車)の使われ方とその効能を多数の文献に即して検証したが、そこに記された生薬としての薬理の多くが自律神経調整作用にあたるとして、自院における症例(更年期障害、偏頭痛、帯状疱疹後神経痛)によってその妥当性を示した。更に国内外の関連研究の実例を示して、プラセンタの効能に関する科学的立証への取り組みの必要性に言及した。

基礎研究領域では高橋洋氏(スノーデン㈱ 開発部理事)が、「プラセンタエキスの自律神経系に対する影響」と題し、消化器系では胃迷走神経と肝臓交感神経、内分泌系では副交感神経と肝臓交感神経に対する有効性についての共同研究結果を説明した。また、マクロファージの貪食能昂進、骨芽細胞増殖効果、腸内細菌叢の改善などについて新たに進められている興味深い研究の概要が報告された。

最後のプログラム「パネルディスカッション」は、前回も日常医療に役立つと反響が大きかったことを受け、今回は新規にプラセンタ療法を始めようとする医師をも念頭に置いて「プラセンタが臨床で広がるために」と題し、司会者と各診療科を代表する6名の医師、並びに基礎研究者1名によって行われた。各医院のプラセンタ療法導入の背景、治療の実際と成績、患者の反応などについて、会場の参加者も交えて1時間20分にわたり意見が交換された。

〔講演の演題及び演者〕

〔招待講演〕 北海道の植物エネルギー --勇気と元気はココロのクスリ!
北海道医療大学薬学部 薬用植物園・北方系生態観察園 准教授 堀田 清
〔研究発表1〕 統合医療の中でのプラセンタ治療の役割
響きの杜クリニック 院長 西谷 雅史
〔研究発表2〕 非特異的腰痛に対するプラセンタ療法
--「一般のツボ注射」と「夾脊穴へのツボ注射」の比較検討
 東京トータルライフクリニック 院長 馬渕 茂樹
〔研究発表3〕 プラセンタエキスの自律神経系に対する影響
スノーデン株式会社 広報開発部 理事 高橋 洋
〔研究発表4〕 東洋医学的視点からみたプラセンタ療法の自律神経調整作用
吉祥寺中医クリニック 院長 長瀬 眞彦
〔公開討論会〕 テーマ:プラセンタが臨床で広がるために
司会:西谷 雅史(産科・婦人科/響きの杜クリニック 院長)
パネリスト:
  • 基礎研究: 大石 真巳(スノーデン㈱ 執行役員)
  • 産婦人科・内科: 北野原 正高(きたのはら女性クリニック 院長)
  • 統合医療: 天願 勇(統合医療センタークリニックぎのわん 院長)
  • 美容整形: 中村 光伸(光伸メディカルクリニック 院長)
  • 内科・循環器科: 長根 忠人(サクラ咲くクリニック 院長)
  • 産科・婦人科: 橋本 昌樹(産科・婦人科 はしもとクリニック 院長)
  • 内科: 山本 俊昭(山本医院 院長)

第15回「日本胎盤臨床医学会」大会開催

医師、美容・健康産業関係者160名以上が参集、ロシア人医学者の特別講演も

日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第15回学術大会が、2014年5月18日(午前9時25分~午後17時00分)、東京駅に隣接する東京ステーションコンファレンス サピアタワー6階の会場に医師、歯科医、美容・健康産業関係者など160名余を集めて開催された。

大会実行委員長は稗田圭一郎氏(鶴巻メンタルクリニック 院長)、同副会長および総合司会は今井愛氏(麻布十番まなみウィメンズクリニック 院長)が務めた。

招待講演は、美容外科の先駆者であり抗加齢医学の大御所として著名な北里大学の塩谷信幸名誉教授(日本抗加齢医学会顧問、NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長)による「見た目のアンチエイジング――美しく歳を重ねる」が組まれた。加齢とともに高まる「健康長寿」の願望を叶えるアンチエイジング・メディシン(抗加齢医学)の中でも、肌や容貌や体形の若返り目指すのが「見た目のアンチエイジング」という美容医療であるが、その領域におけるプラセンタ療法の可能性が強く示唆される講演となった。

特別講演「ロシアにおけるプラセンタ療法」は、当大会では初めてとなるロシアから来日した2人の医学者が行った。K.I.イリイニチナ氏(ロシア医学アカデミー研究員・医学修士)は「婦人科疾患におけるメルスモンの使用経験」を、またバグィエヴァG.H.氏(医学博士・神経科医)は「臨床診療時、器官由来の製剤及び胎盤製剤の使用経験」について、スライドを多用して講演した。プラセンタ療法がロシアで展開している統合医療の一翼を担い始めていることを示すものとして、充実した研究内容とともに注目を集めた。

研究発表は内科分野から2題、基礎研究分野から2題が行われた。  かかりつけ医としてプラセンタ療法を導入して6年を経た増永荘平氏(ますなが医院 院長)による「内科医のプラセンタ療法」は、日常の診療にプラセンタ療法を活かす実際を披瀝し、特に難しいC型肝炎や脊柱管狭窄症などの著効例を具体的に報告した。

光武和彦氏(ホロス光武 院長)は自身が習得したYNSA(山元式新頭鍼療法)にプラセンタのツボ注射を応用することで予想外の効果を挙げている実際を述べ、YNSAの基本的な取穴法についても解説した。YNSAは山元敏勝医師が創始した鍼療法で、今では世界各国で1万人以上の医師が実践している。

基礎研究領域では当医学会の学術担当理事である大石真巳氏(スノーデン㈱ 執行役員)が、胎盤を介して母胎と胎児の間に働く免疫寛容の不思議に触れながら、免疫的に働くプラセンタ製剤の多様な機能性を解説した。

また、落合調氏(メルスモン㈱ 顧問)による「メルスモンの更年期障害に対する臨床調査(中間報告)」は66施設513例を対象とした調査の中間報告であるが、更年期障害の諸症状に対する高い改善率の分析結果に加え、マウスの子宮重量の増加には何ら影響しないという興味深い実験結果も報告された。

前回も実用面で役立つと反響が大きかったことを受け、今回も「臨床経験からみたプラセンタ療法の可能性の広がり」と題して、司会者と各診療科を代表する5名の医師による「パネルディスカッション」が行われた。各医院のプラセンタ療法導入の動機、治療の実際、患者の反応や具体的な医療効果、さらに今後への期待などについて、会場の参加者も交えて1時間にわたり意見が交換された。

また、今回は研究発表に先立ち診療への導入提案として、企業プレゼンテーション「酸化ストレス・抗酸化力テストについて」の解説を金子光輝氏(㈱ウイスマー)が行い、展示室ではその検査が実演されて大勢が体験した。

〔講演の演題及び演者〕

〔招待講演〕 見た目のアンチエイジング――美しく歳を重ねる
北里大学名誉教授、NPO法人アンチエイジングネットワーク 理事長 塩谷 信幸
〔招待講演〕 ロシアにおけるプラセンタ療法
①K.I.イリイニチナ(ロシア医学アカデミー研究員、医学修士)
②バグィエヴァ G.H.(医学博士、神経科医)
〔研究発表1〕 メルスモンの更年期障害に対する臨床調査(中間報告)
メルスモン㈱ 顧問 落合 調
〔研究発表2〕 内科医のプラセンタ療法
ますなが医院 院長 増永 荘平
〔研究発表3〕 YNSAとプラセンタ療法
ホロス光武クリニック 院長 光武 和彦
〔研究発表4〕 免疫とプラセンタ
スノーデン㈱ 執行役員 大石 真巳
〔公開討論会〕 テーマ:臨床経験から見たプラセンタ療法の可能性の広がり
司会:長瀬 眞彦(吉祥寺中医クリニック 院長)
パネリスト:
  • 精 神 科 : 上田 容子(神楽坂ストレスクリニック 院長)
  • 内  科 : 上野 雅人(医療法人上野会 うえの医院 院長)
  • 耳鼻咽喉科: 北西  剛(きたにし耳鼻咽喉科 院長)
  • 婦 人 科 : 西谷 雅史(響きの杜クリニック 院長)
  • 統合医療 : 光武 和彦(ホロス光武クリニック 院長)

第14回「日本胎盤臨床研究会」大会開催

医師、美容・健康産業関係者60名余が参集、公開討論会も

日本胎盤臨床医学会(理事長・長瀬眞彦)主催の第14回学術大会が、2013年11月3日(午前9時30分?午後4時30分)、沖縄・那覇空港に近いロワジーホテル&スパタワー那覇の会場に医師、歯科医、美容・健康産業関係者など60名余を集めて開催された。

大会実行委員長は天願勇氏(統合医療センタークリニックぎのわん 院長)、総合司会は高里荘子氏(介護支援センターさんだん花 施設長)が務めた。

恒例の招待講演は、免疫療法と緩和ケアを専門とする高橋秀徳氏(セレンクリニック福岡 院長)が、がん治療の切り札として期待を集めている「がんワクチン療法」について、多くの資料を使って行った。現在の標準的がん治療では根治に至らない進行癌や再発癌の治療限界を超えるとされた「がんワクチン」だが、それにさえ潜在している弱点の解決のために新たに登場したのが「樹状細胞ワクチン」である。このワクチン療法を支える免疫システムの原理と治癒のメカニズムについて詳しく述べた講演は、プラセンタの広範な有効性の根拠が「免疫力」にある可能性を示唆するものとなった。

研究発表は内科分野から2題、歯科分野から1題、基礎・総論分野から1題が行われた。  当医学会理事長の長瀬眞彦氏(吉祥寺中医クリニック 院長)による「プラセンタ療法の可能性」と題した論考は、プラセンタの作用機序の科学的解明が遅れた実情を指摘するとともに、今後のプラセンタ療法が進むべき方向を示した。プラセンタの利用は内科・整形外科・歯科・美容皮膚科など多分野に及んでいるが、誤った判断による不適切な用例が増えれば療法そのものへの信頼が揺らぎかねない。演者はそれを防ぐ取組みの一つとして、日本胎盤臨床医学会が新たにプラセンタ療法の「認定医制度」を発足させた経緯にも触れ、学術団体として堅実に活動していく抱負を述べた。

また、プラセンタの評判に呼応してブーム化した市場に氾濫する多様なサプリメントに対し、不適切なものを規制するために新たに実施されることになった公的新基準の規格について、当医学会の基礎研究部門担当理事である大石真巳氏が報告した。

歯科医療と統合医療から1題ずつ発表された研究報告は、日常の医療にプラセンタ療法が恒常的に組み入れられ、エビデンスの構築へ向けて症例の蓄積が着実に医療現場で進んでいることを示した。

更に前回も反響が大きかったことを受け、今回も4回目の試みとして司会者と各診療科を代表する5名の医師による「パネルディスカッション」が行われ、各医院のプラセンタ療法導入の動機、治療の実際、患者の反応や具体的な医療効果について、会場の参加者も交えて1時間半にわたり意見が交換された。

〔講演の演題及び演者〕

〔招待講演〕 がんワクチン療法の現状と、今後の課題
医療法人社団医創会 セレンクリニック福岡 院長 高橋 秀徳
〔研究発表1〕 プラセンタ療法の可能性
吉祥寺中医クリニック 院長 長瀬 眞彦
〔研究発表2〕 歯周病とプラセンタ
きたじま歯科 院長 喜多嶋 洋史
〔研究発表3〕 プラセンタサプリメントの公的新基準について
スノーデン株式会社 執行役員薬粧事業部長 大石 真巳
〔研究発表4〕 プラセンタ療法とこれから――統合医療の可能性について
統合医療センタークリニックぎのわん 院長 天願 勇
〔公開討論会〕 テーマ:「自然治癒力の増強とプラセンタの可能性」
司会:西谷 雅史(響きの杜クリニック 院長)
パネリスト:
  • 婦人科: 北野原 正高(きたのはら女性クリニック 院長)
  • 内科・循環器科: 鈴木 浩三(鈴木クリニック 院長)
  • 統合医療: 天願 勇(統合医療センタークリニックぎのわん 院長)
  • 歯科:熊倉 正和(熊倉歯科 院長)
  • 外科:高嶋 雅樹(たかしまクリニック 院長)
  • 歯科: 喜多嶋 洋史(きたじま歯科 院長)